【イベントレポート】meet up Lab Vol.1~山越典子の藤森建築宿泊施設「小泊Fuji」開業奮闘記

6/7(水)meet up Lab Vol.1のゲストは、2023年8月オープン藤森建築宿泊施設「小泊Fuji」ー山越典子さんにお越しいただきました。

「神長官守矢史料館」や「高過庵」を手掛けた日本を代表する建築家・藤森照信先生が設計した2023年8月オープン予定の一棟貸し宿泊施設「小泊Fuji」。「小泊Fuji」を藤森先生と共に建設に至る13年間の歩み・これまでの経験からわかった3つのポイントについて、企画・コーディネーターの牛山さんとゲストの山越さんの対話形式で、笑いも含めてたっぷり語っていただきました。

きっかけは”死”を意識したこと

20代の頃、骨髄バンクのドナー提供を行った山越さんは初めて”死”を意識したと語りました。ドナーを提供した人への思いや、生きる事を真剣に考えるきっかけになり「生ぬるく生きている場合じゃない!やりたいをやろう!」と思い立ち行動することを決めました。

藤森建築宿泊施設「小泊Fuji」開業に至るまでの3つのポイント

①好きなことはくっつけてみよ
ドナー提供を機にやりたいことをやると決心した際に、山越さんは自分の好きなことは何だろうと考えました。昔から人を集めて料理を振舞うのが大好きだった山越さん。そして学生時代にテレビで見て衝撃を受けて以来ファンなった藤森建築の「高過庵」。人が集まる場所×大好きな藤森建築=藤森さんと一緒に宿泊施設を開きたい!という思いがきっかけで藤森さんへの猛烈なアプローチが始まったそうです。

②情熱的に続けるよりやめないこと
藤森先生に設計を依頼すべく山越さんは3年にもわたり藤森先生のワークショップへ参加、その度に熱い思いを綴ったお手紙を送り続けました。やっとの思いで設計の了承を得てからも、理想の土地に巡り合うまで7年も要したそうです。最初の藤森先生への依頼からおよそ12年という長い年月をかけて藤森建築宿泊施設「小泊Fuji」一大プロジェクトが幕を開けました。実現に至るまで多くの挫折や大きな壁にぶつかってきたであろう山越さん。牛山さんより「途中で挫けたり、折れないコツは?」と尋ねられたところ、「情熱的に続けるのではなく、ゆるっとでも前へ、1m先へ進もうとするのではなくちょっとずつ1mmでも先へ進むという想いですかね」と笑顔で答えました。

③応援される秘訣
実際にプロジェクトが始動してからは多くの方が参加しました。なぜ多くの方がこの一大プロジェクトに参加することになったのか、その秘訣を語っていただきました。山越さんは「絶対実現するから!」と、「小泊Fuji」プロジェクトが始動する12年前から出会ってきた人たちに言い続けてきました。また、その熱意に心を打たれた一人である藤森先生も密かに、「こういうプロジェクトが始まりそうなんだよね」と、関係者に宣伝をしてくれていたそうです。その結果、クラウドファンディングでは目標500万円をはるかに超える1,000万円の支援を得られたそうです。建設が始まってからは、地元住民やクラウドファンディングの特典として集まった方々と一緒に壁材の焼杉や銅板を曲げる体験を実施。参加者全員が楽しみながら、応援してくれる様子を写真や動画で紹介してくださりました。

山越さんの得意なマンガを取り入れ、時にはユーモアなコメントを交えながら明るく笑顔で語る姿は、これから事業を始めたいと考えている方や移住を検討している方に、ワクワクや元気を与えていました。

参加者のコメント(一部抜粋)

・すべてがとても感心する話でした。モチベーションの保ち方、続けることの大切さをあらためて考える機会になりました。種まき活動も続けていくと形になるという見本をみせてもらったようです。

・私自身もこれから自分でやれることで人に役に立つような事業を始めようとしており、最初から最後まで心に響くお話で、メモをとるのが大変なくらい本当にたくさんのヒントをいただき、感動でした。

今後もmeet up Labでは、話題の事業や活動の舞台裏を掘り起こしながら、ご自身の活動やビジネスに役立つヒントを探し出せるビジネスネットワーキングイベントとして、継続してまいります。次回をお楽しみに。